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寺岡 有殿; 吉越 章隆
Proceedings of 3rd International Symposium on Atomic Level Characterizations for New Materials and Devices '01 (ALC '01), p.341 - 344, 2001/11
Si(001)表面とO分子の表面反応においては、室温でO分子の解離吸着が起こり表面が酸化される(パッシブ酸化)。一方、表面温度がおおむね700以上では酸化反応生成物としてSiO分子が熱脱離して表面に酸素は残らない。今回はO分子の初期吸着確率の入射エネルギー依存性とSiO脱離速度の入射エネルギー及び表面温度依存性を測定した。前者は酸素カバレッジのup-take曲線の一次微分から求めた。後者の実験には同位体Oを用いてSiO(m/e=46)を検出することによりCOバックグラウンドの影響のない高精度の測定ができた。これらにより初期吸着確率が0.3eVに極小点を持つことやSiO生成温度の下限が入射エネルギーに依存するなどの新しい知見を得た。初期吸着には前駆体経由過程と直接解離過程があることが見いだされた。
鳴海 一雅; 楢本 洋
Proceedings of 3rd International Symposium on Atomic Level Characterizations for New Materials and Devices '01 (ALC '01), p.322 - 325, 2001/11
Si(111)上のC 薄膜に対して、360 keV Ar,Arイオンを1.010/cmから1.110/cm照射した際の照射効果を調べた。照射前の薄膜は絶縁性を示したが、1.110/cmの照射量で電気伝導性を示すようになった。ラマン分光分析によるとこの時の薄膜はほとんど非晶質炭素になっており、この電気伝導性は、C分子の分解によって生じた伝導性を持った炭素同位体によって生じたことを明らかにした。1.110/cm以上の照射量では、ラマンスペクトル中のC分子の特徴は完全に消失し、薄膜の表面形態に著しい変化が観測された。この形態の変化はArイオンによるスパッタリングとC分子の分解による高密度化によるものと考えられる。